愛で繋がる平和な世界
私は国によって名前が変わります。日本では寺内アンヘル・サクヤです。エルサルバドルではAngel Sakuya Muller Terauchi です。なぜなら日本人とエルサルバドル人の両親をもつハーフだからです。
私の父の国、エルサルバドルでは1980年に、政府軍とゲリラ勢力との間で激しい内戦が勃発し、約7万5000人が犠牲になりました。和平合意が成立したのは父が9歳の時でした。外出禁止令の発令により食料が手に入らず、生卵1個とトルティーヤ1枚を3人兄弟で分け合ったこと、夜になると銃撃戦がはじまり、死んでいくゲリラ戦員の姿を窓の隙間から見たことを、父はいまだに覚えていると言います。2024年となった現在においても、ウクライナ侵攻やガザ・イスラエル紛争など戦争が勃発しています。戦争が過去の傷跡ではなく、現在進行形で私たちにとって脅威となっています。戦争を予防し止めるためのSDGsですが、思うように達成できていないのはなぜなのでしょうか。それは愛が欠如しているからだと考えました。そこで私は、SDGsの17個の目標に共通する目標0番目として「愛から行動しよう」を提案します。私にとって平和とは「人と人が、人と地球が、愛によって繋がっていること」です。愛こそが平和を体現するための原動力なのではないでしょうか。
この繋がりを構築するために具体的な行動を二つ考えました。一つ目はハグの習慣化です。ハグによるスキンシップでは会話だけでは得られないこころの繋がりを感じることができます。二つ目は地球に向けてメッセージを書くことです。草の根レベルではありますが、地球へのメッセージシートを作成し、周囲の人に書いてもらう活動を始めました。「地球さんへ」からはじめるメッセージ、あなたは何を書きますか?「あなたの小さな一部である私より」という言葉で書き終わった時には、私たちに贈られている愛に対して愛で答えたいと思えるでしょう。
私たちはみんなで手と手を取り合い、地球と仲良く暮らすことを学ばなければなりません。私たちは同じ地球を故郷とする仲間です。志をひとつにして平和な未来を創造できると私は信じています。