日本

Yuna Nonaka

野中 優那(16歳)

大人が始めた戦争に子どもがNOと言える仕組みをつくる

あなたにとっての平和とは?

誰もが学び、
自由に自分の人生を選択できること

大人が始めた戦争に子どもがNOと言える仕組みをつくる

2021年2月1日、ミャンマーでクーデターが起きた日、私はミャンマーに住んでいました。

翌日から、若者は、歌を歌ったり音楽を奏でたり、平和的なデモを行い、その様子をSNSで世界に発信しました。皆さんは何故かわかりますか?

それは、国際社会へのアピールでした。「武力による支配はあり得ない」「この理不尽を国際社会が許すはずがない」と誰もが思っていたのです。
私も、国連やASEAN、そして日本が平和解決のために行動する、と信じていました。

しかし、国際社会は傍観したのです。無抵抗な国民に対し、国の軍隊は催涙弾を投げ、発砲を始めました。電話やインターネットが遮断され、たくさんの人々が拘束され、子どもたちは、教育の機会を奪われています。村を焼かれ、家族を失い、武器を持って戦うことを選んだ若者もいます。

私は、自分が見たことを伝えるために、今日ここに立っています。

私が考える「平和」は、誰もが自由に学び、自分の未来を選択できることです。

わたしは今、日本の伝統文化であるかるたを使って、ミャンマーの人々の日常を伝える活動をしています。いま民主主義を求めて戦っている人々の願いは、家族とご飯を食べたり、学校に行ったり、恋をしたり、そんな日常を取り戻すことです。

でも日本人の多くは、彼らの戦いに無関心です。それは、そこに生きる人々の「顔」が見えないからです。わたしは、命のストーリーを伝えるために、かるたのプロジェクトをしています。

ロシアとウクライナの戦争、そしてミャンマーのクーデター。大人が始めた戦争で、奪われるのは子どもの未来です。
ミャンマーやロシアの紛争を通じて、民意が反映されない政治は危険だ、と痛感しました。

わたしは、世界平和のために、「大人が始めた戦争に、子どもがNOと言える仕組み」を作りたいです。
その第一段階として、わたしは日本の投票所に子どもが模擬投票できるシステムの導入を提案します。そして全ての政治家に、10歳の子供が理解出来る「子ども向けマニュフェスト」を作成して欲しいです。
日本に住む外国人や障害のある方、これまで政治に関心がなかった人々への、アクセシビリティにもなります。

日本に帰国した後、母に連れられ、選挙に行く機会がありました。(当日は「7月10日の参議院選挙に行きました。」に読み替える可能性があります)
その時、投票所には子どもが選挙について知るツールが、一切ありませんでした。私たちは政治も選挙も知らないままに、大人になってしまう。自由な民主主義国家なのに、20代の若者は、10人のうち3人しか投票に行きません。

政治問題を語るタブーを失くすためにも、私たちは、小さい頃から「自ら未来を選んでいく責任が自分にはある」ということを、実体験の中で学んでいくべきだと思います。ミャンマーの問題は、決して遠い国の問題ではありません。難民問題、特定技能労働者の問題は、日本社会の問題でもあります。

「あなたが政治を考えなくても、政治はあなたを考える」
誰の言葉か知っていますか。未だ軍に拘束されている、アウンサンスーチーさんの、お父さんの言葉です。

世界には、まだ民主主義が当たり前では無い国が沢山あります。まずは、日本人である私たちは、日本から変えていくべきです。私たち日本人が日本の民主主義を守ることは、世界平和の一歩だからです。


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